コラム

防災の日に始める「補助金活用チェックリスト」—医療・介護施設のBCPを省エネで強くする

省エネ補助金

作成日:2025年9月1日

【はじめに】防災の日に、施設の未来をどう守りますか?

医療・介護施設の皆様、こんにちは。 9月1日は「防災の日」。全国で災害への備えを見直す日です。

皆様の施設でも、停電や断水、物資不足といったリスクにどう備えるか、改めて考えるタイミングではないでしょうか。

特に、災害時に空調や給湯、換気が止まると、入居者や患者様の安全・健康に直結します。さらに、昨今のエネルギー価格高騰で、平時のコスト削減も避けて通れません。

「防災対策と省エネ対策、どちらもやりたいけれど、コストが心配…」 そんな声を多くいただきます。

しかし、ここで知っておいていただきたいのは、補助金を活用すれば、防災と省エネを同時に実現できるということ。

そして、準備のタイミングが結果を左右するという事実です。

「補助金は年度末に考えればいいと思っていた」 「申請の準備にこんなに時間がかかるなんて知らなかった」 こうした声は、実際に現場でよく耳にします。

だからこそ、今、このタイミングで動き出すことが重要なのです。

 

本記事では、防災の日に合わせて、医療・介護施設がすぐに取り組める補助金活用のチェックリストをご紹介します。

BCP(事業継続計画)と省エネを両立し、施設の安全と経営を守るための第一歩を踏み出しましょう。


1. まずは「必要負荷」を明確化(BCPの出発点)

災害時に最低限動かすべき設備=必要負荷(クリティカルロード)を洗い出し、優先順位をつけます。

  • 電源確保が必須な機器リスト(医療機器、ナースコール、サーバー、冷蔵・冷凍庫、非常用照明、UPS)
  • 72時間の運用要件(電力・給水・温度・衛生)を定量化
  • 停電時の切替方式(手動/自動)、配電盤の回路分けを確認
  • 感染症対策上、換気・空調の最低要件を定義

2. 設備別「省エネ×防災」チェックリスト

(1)空調

  • 老朽化機器の更新優先度を評価
  • 高効率機+集中制御で省エネ化
  • 非常時に一部系統のみ運転できるゾーニング設計
  • BEMS/EMSで停電時の負荷落としシナリオを設定

(2)給湯

  • 業務用ヒートポンプ給湯器の導入検討
  • 二重化・階層化でレジリエンス確保
  • 非常時の最低湯量を試算

(3)換気

  • 高効率換気+CO₂センサー連動
  • 停電時の最低換気量確保(蓄電池供給/自然換気)
  • 隔離室や汚物処理室の差圧要件を確認

(4)照明

  • LED化+非常用照明の見直し
  • センサー制御・調光で使用電力を最適化

(5)太陽光発電+蓄電池

  • 停電時自立運転・逆潮流条件を確認
  • 必要負荷に対する稼働時間を試算
  • 自動切替と必要負荷盤への常時給電を設計
  • 電力会社協議・消防設備との連動確認

3. 申請に必要な書類・データ

  • 電力・ガス請求書(12か月分)
  • 既設設備台帳(型式・年式・能力・台数)
  • 現況写真(銘板・設置状況・配電盤)
  • 見積書(相見積り推奨)
  • 省エネ計算根拠(一次エネルギー削減量、CO₂削減量)
  • 施工スケジュール
  • 法人情報(登記事項証明、決算書、納税証明)
  • BCPまたは防災方針(必要負荷・72時間計画)

4. スケジュールを逆算(標準フロー)

  1. 公募予告~開始
  2. 申請準備:現地調査→省エネ試算→見積→申請書作成
  3. 締切~交付決定:質疑対応・補正
  4. 契約・着工(交付決定後):事前着手NG
  5. 完了~実績報告~交付
  • 締切に間に合うよう、早めに「設備・見積・根拠」を固める
  • 長納期機器は前倒しで手配計画
  • 施設側の意思決定・稟議のリードタイムを織り込む

5. よくあるNG・落とし穴

  • 事前着手(交付決定前の発注・工事・支払)は不可
  • 仕様変更で性能が下がると補助対象外
  • 中古品・一部リース条件は対象外
  • 電力会社協議の遅れで系統連系待ち
  • 消防・建築・衛生など他法令の事前協議漏れ

6. 成果指標(KPI)の決め方

  • 一次エネルギー削減率/年間削減量
  • CO₂排出削減量
  • 停電時の運転持続時間/必要負荷の確保率
  • LCC(ライフサイクルコスト)/投資回収年数

7. すぐにできるアクション

  • 必要負荷リストと72時間要件の整理
  • 現況写真の撮影(銘板・設置状況・配電盤)
  • 電力・ガス請求書の収集(過去12か月分)
  • 老朽設備の棚卸し(年式・能力・台数)
  • 候補設備の省エネ効果の概算試算
  • 見積りの依頼と納期確認
  • 申請スケジュールと稟議準備

8. 補助金の探し方・選び方

  • 対象設備に合う制度を優先
  • 加点要素(医療・介護・災害対策・脱炭素)を確認
  • 交付までの期間と工期制約を確認
  • 重複受給・他制度併用の可否に注意

【結論】「なんとなく」の備えから卒業し、戦略的な防災・省エネ投資へ

来年の防災の日、補助金を活用して最新の省エネ設備を導入し、停電や災害に強い施設を実現している姿を想像してください。 一方で、老朽化した空調や給湯設備の故障に慌てることなく、入居者や患者様の安全を守れる施設。その差は、今、このタイミングで戦略的な第一歩を踏み出すかどうかにあります。 「うちの施設も補助金を活用できるのか知りたい」 「診断を受けると、どんな改善策が見えるのか詳しく聞きたい」 「年度末までに補助金を獲得し、計画を前倒ししたい」 そんな方は、まずは無料相談をご利用ください。私たちは、省エネ診断、補助金申請サポート、計画策定まで一貫してお手伝いします。 この一歩が、施設の未来を大きく変えます。防災の日をきっかけに、戦略的な備えを始めましょう。 下記のお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。無料相談も随時受け付けております。

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